特集 今さら聞けない臨床現場のAI—結局何に使えるの?
【各論 具体的なAIの臨床応用事例】
❻在宅医療・遠隔医療におけるAIの役割—訪問診療の現場から考える、AI時代の在宅医の生き方
鎌形 博展
1,2,3
1医療法人社団季邦会
2株式会社EN
3東京医科大学救急災害医学分野
キーワード:
在宅医療
,
AI活用
,
遠隔医療
,
多職種連携
,
AIスクライブ
Keyword:
在宅医療
,
AI活用
,
遠隔医療
,
多職種連携
,
AIスクライブ
pp.396-398
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360040396
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在宅医療現場で、AIは本当に使えるのか?
筆者が画像解析AIの開発に携わっていた2017年頃、第3次AIブームでどこまで技術が進化し社会を変えていくのか、まだまだ不透明なところがあった。そんななかで、生成AI・大規模言語モデル(LLM)が登場し、一気に世界を変えた。しかし、AIは何でも実現できる魔法の杖ではない。LLMの臨床応用に関する2024年のランダム化比較試験では、医師がAIを補助的に使っても診断パフォーマンスは有意に向上しなかった一方で、特定条件下ではAI単独が比較的高いスコアを示す結果も報告されている1)。ただし、臨床現場での有用性は、AIと医師の協働設計や運用方法に大きく依存すると指摘されている2)。これは「AIを足せば自動的によくなるわけではない」「AIと人の協働には設計が要る」ということを示している2)。
特に在宅医療は病院と違って検査機器が限られ、家族の「なんとなくいつもと違う」といった情報を手がかりに、緊急度を判断することも少なくない。また、オンライン診療では身体診察もできない。この“情報の貧しさ”は、在宅医療やオンライン診療の宿命であり、AI活用のためには壁となるが、一方で、在宅医療は同じ患者のデータが長期にわたって蓄積されるという強みをもつ。また、オンライン診療でもPHR(personal health record)の活用ができれば、ここはAIが得意とする領域である。

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