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症例
患者:57歳、男性。
現病歴:X年12月に10年ぶりに会社の健康診断を受診した。LDL-C 161mg/dL、TG 280mg/dL、AST 50U/L、ALT 57U/L、γ-GTP 172U/Lと脂質異常症および肝障害を認め(表1)、二次検査のためX+1年1月に当院の総合内科外来を受診した。
既往歴:なし。
生活歴:喫煙 なし、飲酒 ビール750mL/日。
内服薬:なし。
アレルギー歴:なし。
来院時身体所見:身長176cm、体重80kg、BMI 25.8kg/m2。GCS E4V5M6、血圧159/104mmHg、脈拍数70回/分、SpO2 98%(室内気)。眼瞼結膜貧血なし、眼球結膜黄染なし。肺音 清、心音 純。腹部平坦軟、腸蠕動音正常、圧痛なし。両側下腿浮腫は認めない。
安静時12誘導心電図所見:脈拍数68回/分、洞調律であった。
胸部X線画像所見:心胸郭比47.8%、肋骨横隔膜角は鋭であり、肺炎像は認めなかった。
眼底検査:網膜出血や軟性白斑を認めなかった。
腹部超音波検査:肝腎コントラストを認めたが、肝臓に腫瘤は認めなかった。
経過:診察室血圧が高値であったため、家庭血圧の測定を指示し、ニフェジピン徐放錠10mgを処方し、X+1年1月に管理栄養士による栄養指導を行い、X+1年4月に再診した。血液検査で肝障害の改善を認め、LDL-Cも改善したが(表1)、診察室血圧(診察時刻は午前10時頃)が130/110mmHgと高値であった。起床後の収縮期血圧は150mmHg台であることが多いものの、夕方測定すると120mmHg台に低下していることが多いと申告された。早朝高血圧を認めていることから、睡眠時無呼吸症候群を疑い問診したところ、妻より就寝中のいびきと呼吸停止を指摘され、日中の勤務中に眠気を自覚していることが判明、同月に専門医へ紹介した。
検査入院のうえ、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)を実施したところ、無呼吸低換気指数(AHI)が30.2回/時、SpO2の最低値は66%であり、閉塞型の睡眠呼吸障害を認めた。また睡眠構築ではステージⅡが増加し、ステージⅢ・Ⅳの深睡眠が減少していた。このため、重症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と診断し、持続呼吸陽圧療法(CPAP)が開始された。
X+1年6月に当院の総合内科外来を再診し、家庭血圧は朝夕共に120mmHg台に推移し、就寝中のいびきや呼吸停止、日中の眠気も消失したことを確認し、ニフェジピン徐放錠10mgの処方を中止した。現在も外来通院を継続しているが、降圧薬を再開せず経過している。

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