構造式で語る医学│薬物の交差反応や意外な副作用を学ぼう!・10
核酸(プリン塩基)に似た構造の医薬品
上田 剛士
1
1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.1198-1202
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350101198
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プリン塩基とプリン代謝拮抗薬
核酸代謝に関与する薬剤は、細胞分裂の盛んな細胞に対して強く作用するため、抗がん薬や免疫抑制薬、抗ウイルス薬として用いられています。
核酸の塩基は、大きく分けてプリン塩基とピリミジン塩基に分類されます。これらの塩基代謝を標的とした薬剤は、それぞれの塩基と構造が類似しており、代謝拮抗薬として設計されています。前回紹介したピリミジン代謝拮抗薬においては、臨床的に重要なのは抗がん薬であり、抗ウイルス薬はソリブジン事件以降、日本国内では市販されていません。

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