構造式で語る医学│薬物の交差反応や意外な副作用を学ぼう!・9
核酸(ピリミジン塩基)に似た構造の医薬品
上田 剛士
1
1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.1084-1087
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350091084
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ヌクレオチド=塩基+リボース+リン酸
核酸はヌクレオチドから構成されます。ヌクレオチドは塩基、リボース(糖)、リン酸から構成されます(図1)。
塩基にはグアニン(G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)、ウラシル(U)があります(図2)。RNAはG、A、C、Uの4種類の塩基から構成されており、塩基の自然変異、特にシトシン(C)の脱アミノ化によって、ウラシル(U)に変化する現象が起こりやすいという特徴があります。一方、DNAではUの代わりにT(チミン)が用いられているため、C→Uの変化が起こった場合でも、異常として容易に認識され修復されやすく、全体としての安定性が高められています。

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