特集 —知ってるつもり? 知らなきゃいけない?—新語・新概念辞典
【新語・新概念(五十音順)】
レカネマブ
葛谷 聡
1
1京都大学大学院医学研究科臨床神経学(脳神経内科)
キーワード:
レカネマブ
,
抗Aβ抗体薬
,
アミロイド関連画像異常
,
ARIA
Keyword:
レカネマブ
,
抗Aβ抗体薬
,
アミロイド関連画像異常
,
ARIA
pp.165
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350020165
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超高齢社会に突入した本邦では、高齢者の増加と共に認知症の有病率が増加の一途を辿っている。少子化の進行に伴う介護世代の減少も相まって、認知症問題は国を挙げての喫緊の課題である。認知症の最たる原因疾患であるAlzheimer病(Alzheimer's disease : AD)は、病理学的特徴としてアミロイドβ蛋白(Aβ)を主たる構成成分とする老人斑、過剰にリン酸化されたΤ(タウ)蛋白が神経細胞内で凝集する神経原線維変化、神経細胞死を呈する。
2023年9月に本邦で初めてのAD疾患修飾薬となる抗Aβ抗体薬のレカネマブ(レケンビ®)が、「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」の効果・効能で承認された1)。さらに2024年9月に別の抗Aβ抗体薬であるドナネマブ(ケサンラ®)が同じ効果・効能で承認された。抗Aβ抗体薬の登場は、これまで症状緩和薬による治療が中心であったAD診療の現場にパラダイムシフトを起こしている。以下に、臨床の場で投与が始まっているレカネマブの作用機序、効果・効能、副作用について概説する。
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