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特集 花粉症治療の最新情報――「鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版」を踏まえて
欧州のガイドラインARIAと国際共同研究MASK study
European guidelines ARIA and the international collaborative research MASK study
飯沼 智久
1
Tomohisa IINUMA
1
1千葉大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
花粉症
,
アレルギー性鼻炎
,
ARIA
,
MASK-air
,
ガイドライン
Keyword:
花粉症
,
アレルギー性鼻炎
,
ARIA
,
MASK-air
,
ガイドライン
pp.486-490
発行日 2025年8月16日
Published Date 2025/8/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294060486
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日本における「鼻アレルギー診療ガイドライン」は1993年に刊行されたが,国際的には1999年にWHOのワークショップで発足したARIA(Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma)のガイドラインが存在する.ARIAはアレルギー性鼻炎と喘息の関連性を重視し,統合的な疾患管理を提唱しているガイドラインである.そのARIAにおいて,デジタル技術の進展に伴い,患者中心の統合型ケアを実現するための情報収集ツールとして,スマートフォンアプリ “MASK-air” が開発された.MASK-airは,アレルギー症状や治療状況のデータを収集・解析し,個別診療や公衆衛生の改善に寄与している.日本でも同アプリが導入され,全国からデータが蓄積されている.研究では免疫療法の効果や労働生産性への影響が評価され,貴重な知見が得られている.日本にはスギ花粉症という特有の事情があり,ARIAガイドラインの直接適用は困難であるが,日本のガイドラインとの調和が求められる.

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