特集 輸血のすべて
Part 3 特殊な状況での輸血
10.大量出血:産科—実際の出血量と相関するバイタルサインで評価
松永 茂剛
1
Shigetaka MATSUNAGA
1
1埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター
pp.135-142
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120010135
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生命を脅かすような分娩時あるいは分娩後の大量出血は,妊産婦の約300人に1人の頻度で発生する。日本では周産期管理の進歩によって,かつて妊産婦死亡の約40%を占めていた産科危機的出血は減少してきたが,現在でも血栓塞栓症や脳血管疾患などを抑えて,依然としてわが国の母体死亡原因の第1位であり,妊産婦死亡の18%が産科危機的出血による死亡と報告されている。
本稿では,産科大量出血(特に血液凝固障害)の病態と,その対応のための輸血戦略について概説する。
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