特集 “わかったつもり”で終わらせない血液凝固異常とDIC
Part 3 治療
(25) 産科危機的出血への対応指針2022—迅速な全身評価・管理と輸血開始のためのストラテジー
小田 智昭
1
Tomoaki ODA
1
1浜松医科大学 医学部 産婦人科地域医療学講座
キーワード:
子宮型羊水塞栓症
,
ショックインデックス
,
SI
,
H/F ratio
,
大量輸血プロトコル
,
MTP
Keyword:
子宮型羊水塞栓症
,
ショックインデックス
,
SI
,
H/F ratio
,
大量輸血プロトコル
,
MTP
pp.135-141
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330180010135
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はじめに:なぜ集中治療医が産科出血を学ぶべきか
日本の妊産婦死亡原因の第1位は「産科危機的出血」である。この原因内訳は,子宮型羊水塞栓症,子宮破裂,常位胎盤早期剝離,癒着胎盤などと続く1)。これらの疾患による血液凝固障害は,消費性凝固障害,希釈性凝固障害,その混合の病態を含み,出血そのものの速度や止血困難に陥るまでの時間が速いため,迅速に対応しないと救命が困難になるケースがある。
それまで健康な妊婦が分娩後に大量出血をきたし「循環不全」と「血液凝固障害」によって全身状態が悪化する,これが産科危機的出血の最大の特徴である。本稿では,『産科危機的出血への対応指針2022』2)を中心に,集中治療に携わるスタッフが知っておくべき治療戦略を解説する。

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