今月の臨床 産科救急―意識障害と危機的出血の初期対応
産科危機的出血への対応
「産科危機的出血への対応指針2022」改正点の解説
玉石 雄也
1
,
二井 理文
1
,
池田 智明
1
1三重大学医学部産科婦人科学教室
pp.482-487
発行日 2023年5月10日
Published Date 2023/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210983
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●2010年から2021年における本邦の妊産婦死亡の原因において,産科危機的出血は第1位である.近年,その割合は減少傾向にあったが,2020年より再び増加傾向にある.
●2020年9月に産科危機的出血に伴う後天性フィブリノゲン血症に対してフィブリノゲン製剤が保険適用となり,「フィブリノゲン製剤に際して」の項目が追加され,産科危機的出血への対応フローチャートは次のように改訂された.
①産科危機的出血の宣言の条件が,SI : 1.5以上or産科DICスコア8点以上or単独でフィブリノゲン150mg/dL未満となった.
②直ちに輸血を開始する際,クリオプレシピテート,フィブリノゲン製剤の投与が追記された.
●関連5団体(日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会,日本周産期・新生児医学会,日本麻酔科学会,日本輸血・細胞治療学会)に日本IVR学会が加わり,「産科危機的出血への対応指針2017」が修正・改訂された.これに伴い「IVR : interventional radiologyについて」の項目が追加された.
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