症例ライブラリー 術中の緊急コンバージョン—方針転換に対する迅速な対応
予定帝王切開の大量出血
杉田 道子
1
,
荒木 美貴
1
Michiko SUGITA
1
,
Miki ARAKI
1
1熊本大学病院 産科麻酔学寄附講座
キーワード:
産科危機的出血
,
子宮型羊水塞栓症
,
interventional radiology
,
IVR
Keyword:
産科危機的出血
,
子宮型羊水塞栓症
,
interventional radiology
,
IVR
pp.1138-1141
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203110
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■症例
35歳の女性。2経妊0経産,身長159cm,体重62kg(非妊時52kg)。血液型B型Rh(+)。自然妊娠で妊娠38週6日,骨盤位のため帝王切開術が大学病院で予定された。特記事項なし。予定どおりL3/4から脊髄くも膜下麻酔(0.5%高比重ブピバカイン2.2mL,フェンタニル10μg,モルヒネ100μg)を行い,フェニレフリン0.3μg/kg/minを予防的に持続投与開始した。T4以下の冷覚遮断が得られ,手術開始10分後に児娩出となった。胎盤娩出はスムーズだったが,オキシトシン,メチルエルゴメトリン投与に反応がなく,子宮収縮が悪い。膠質液を急速投与した。外回り看護師に出血量をカウントしてもらうと,ガーゼと吸引で1500mLを超えていた。床に血液はこぼれていないが,下肢の覆布をめくると腟からさらさらした出血があり,+αの出血が予測された。このときの血圧92/50mmHg,心拍数110bpm,経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)97%だった。
さて,あなたならどうする?
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.