特集 ICUにおける抗菌薬:new era strategy
❽ —抗菌薬投与各論—耐性菌と新規抗菌薬—ポイントは耐性菌の疫学とカルバペネム耐性機序
西村 翔
1
Sho NISHIMURA
1
1兵庫県立はりま姫路総合医療センター 感染症内科
キーワード:
カルバペネム耐性腸内細菌目細菌
,
CRE
,
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌
,
CPE
,
多剤耐性緑膿菌
,
MDRP
,
難治耐性緑膿菌
,
DTPR
,
タゾバクタム/セフトロザン
,
イミペネム・シラスタチン・レレバクタム
,
セフィデロコル
,
セフタジジム・アビバクタム
Keyword:
カルバペネム耐性腸内細菌目細菌
,
CRE
,
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌
,
CPE
,
多剤耐性緑膿菌
,
MDRP
,
難治耐性緑膿菌
,
DTPR
,
タゾバクタム/セフトロザン
,
イミペネム・シラスタチン・レレバクタム
,
セフィデロコル
,
セフタジジム・アビバクタム
pp.231-243
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170020231
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はじめに
長らく耐性グラム陰性桿菌に対する抗菌薬開発が停滞する時代が続いていたが,米国に追従するかたちで日本でも2019年以降,4種類の新規β-ラクタム系抗菌薬が承認され使用できるようになった。
これらの新規β-ラクタム系抗菌薬はin vitroでは非常に広範な活性を示すが,実際に使用すべき症例は限られている。世界的には,カルバペネム系薬を温存するための抗菌薬(carbapenem-sparing agent)ではなく,カルバペネム耐性菌感染症に対する治療薬として認識されており,想定される耐性機序に基づいて具体的な選択肢は決定づけられる。したがって,日本での耐性菌の疫学を知り,耐性機序を推定あるいは確認できることが,新規β-ラクタム系抗菌薬を使い分けるポイントとなる。

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