特集 海の外へ渡る航行者を診る—アウトバウンドにまつわるetc.
【渡航医学トピックス】
❷薬剤耐性菌
濱口 重人
1
1大阪大学大学院医学系研究科 変革的ヒト検体解析学 寄附講座
キーワード:
薬剤耐性
,
AMR
,
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌
,
CPE
,
多剤耐性アシネトバクター
,
MDRA
Keyword:
薬剤耐性
,
AMR
,
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌
,
CPE
,
多剤耐性アシネトバクター
,
MDRA
pp.1450-1452
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204581
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薬剤耐性(AMR)とは?
薬剤耐性(antimicrobial resistance : AMR)とは、特定の種類の抗菌薬が効きにくくなる、または効かなくなる現象を指す。2019年には、WHO(世界保健機関)が「世界保健にもたらす10の脅威」を発表し、そのなかで感染症に関連する5つの項目が挙げられた1)。なかでもAMRは特に注目される項目として位置づけられている。2023年5月に広島で行われたG7サミットでも、世界経済やウクライナ問題と並んで、AMRは主要な議題の1つとして取り上げられた。これはAMRがすでに単なる医療問題を超え、公衆衛生課題、社会全体の問題として捉えられていることを示している。
2020年からの3年間は、世界中において医療機関がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックに振り回された。AMRは世界的な脅威として以前から警鐘が鳴らされていたが、日本でもこの3年間はAMRに対する警戒や対策が疎かになっていた感が否めない。しかし、新型コロナウイルスの有無にかかわらず、AMR対策は待ったなしの状況である。
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