特集 ICUにおける抗菌薬:new era strategy
❾ —抗菌薬投与各論—敗血症患者に対するβ-ラクタム薬の持続投与/投与時間延長—有用性に関するエビデンスと実務上の観点から考える
橋本 英樹
1,2
Hideki HASHIMOTO
1,2
1日立総合病院 救急集中治療科・感染症科
2筑波大学附属病院日立社会連携教育研究センター 感染症内科
キーワード:
β-ラクタム薬
,
過大腎クリアランス
,
ARC
,
分布容積
,
持続投与/投与時間延長
,
TDM
Keyword:
β-ラクタム薬
,
過大腎クリアランス
,
ARC
,
分布容積
,
持続投与/投与時間延長
,
TDM
pp.245-254
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170020245
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はじめに
抗菌療法は感染症治療の要であるが,重症患者では薬物動態の変動により,血中濃度がしばしば不安定となる。適切な初期抗菌薬の迅速な投与が重視される一方で,用量用法の最適化については焦点があまり当てられてこなかった。しかし近年,β-ラクタム薬の持続投与/投与時間延長に関する大規模無作為化比較試験(RCT)やメタ解析が発表され,注目を集めている。
本稿では,持続投与/投与時間延長の理論的背景と昨今のエビデンスを紹介し,実施するうえでの検討事項や注意点について,私見を交えて解説する。

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