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はじめに
認知症は,認知機能低下に伴って日常生活に障害を有することが診断基準の1つである1).新オレンジプラン2)では,適切なリハビリテーションとして,①生活機能障害に対応したリハビリテーションであること,②実際に生活する場面を念頭に置くこと,③有する認知機能などの能力を見極め,最大限に活かすこと,を強調している.つまり,リハビリテーション治療の最大の対象は生活障害であり,可能な限り本人・家族が望む生活習慣,生活環境,生活行為の実現に向けて介入する必要がある.重症化に伴い日常生活活動(activities of daily living:ADL)の自立度は低下するが,疾患特性や生活習慣等によって障害されやすい,または残存しやすい認知領域や生活行為プロセスの特徴は異なる.リハビリテーション専門職は,現在保有している認知機能の状態や認知領域,生活行為プロセスを把握し,得意な認知機能や生活行為プロセスを活かすなどの工夫が重要となる.一方,高齢者は老年症候群をはじめとする多くの併存疾患を有しているため,認知機能以外の運動器障害,神経障害,環境要因などが自立を妨げていることは極めて高い.しかしながら,認知機能低下がADL障害にどのように影響を及ぼしているかを考察することは,目標設定や介入戦略に非常に重要である.認知機能の低下は,通常老化の段階でも生じており,高齢者の27%を超える一人暮らしの社会・生活管理に支障を及ぼしている3).つまり,加齢による認知機能低下を含めた前臨床期から生活障害の予防と早期支援が重要となり,診断後も生活障害の悪化予防対策が期待される.
本稿では,前臨床期からの生活障害の特徴と支援,認知症診断後の生活障害に対するリハビリテーション治療について独自の知見を交え,概説する.

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