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内容のポイント Q&A
Q1 半側空間無視の病態,責任病巣は?
半側空間無視は脳損傷により,損傷半球と反対側の空間に対する反応や運動が困難となる症候であり,右半球損傷に多いが,左半球損傷でも起こり得る.机上検査だけでなく日常生活のさまざまな場面で問題となり,リハビリテーション治療のアウトカムを不良とする.近年では個別の責任病巣よりも広範なネットワークの障害としてとらえられ,半球間バランスの不均衡が要因の1つと考えられている.
Q2 半側空間無視の評価法は?
半側空間無視のスクリーニング法として線分二等分試験,抹消試験,図形模写等があるが,1つの検査のみでは不十分であり,行動性無視検査(BIT)のように組み合わせて用いることが望ましい.行動評価としてはCatherine Bergego Scale(CBS)があり,評価基準を明確にしたKessler Foundation Neglect Assessment Process(KF-NAP®)も使用される.
Q3 半側空間無視に対するリハビリテーションは?
アプローチの方法によりTop-downとBottom-upに大別される.Top-downアプローチとして視覚探索訓練,Bottom-upアプローチとしてPrism適応療法等がある.近年では仮想現実や非侵襲脳刺激も用いられる.日常診療ではTop-downアプローチを基本とするが,病識や認知機能等も考慮してBottom-upアプローチを組み合わせて用いる.
Q4 最近の話題は?
近年,背側注意ネットワークの半球間不均衡が半側空間無視の発症要因であるという仮説に基づき,反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)や経頭蓋直流電流刺激(tDCS)等による損傷半球の賦活または非損傷半球の抑制の効果が検討されている.現時点では非損傷半球に対する抑制的rTMS,特にcontinuous theta burst stimulation(cTBS)による効果が最も高いと考えられている.
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