連載 現場に技あり!⑨
病のなかにある希望―患者・家族の持つ希望と敵対しないということ
萱間 真美
1
,
林 直樹
2
1東京大学大学院医学系研究科精神看護学分野
2東京都精神医学総合研究所
pp.56-61
発行日 2000年5月15日
Published Date 2000/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900660
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今月のシーン
Rさんは30歳代前半の男性。大学在学中に精神分裂病を発病し,家業を継ぐために必要な資格試験に失敗した。発病後も1回受験を試みているが,うまくいかなかった。資産家であり,家業を数代にわたって守っている家で暮らしている。複数の兄弟がいるが,すでに家業を継がずに独立している。父親は腎不全,母親は高血圧を持っており,Rさんに何とかして資格を取得してほしいという希望が強い。Rさんは退院後3年が経過しており,その間ずっと訪問看護を受けている。昨年の春まではほとんど眠っている生活を送っていたが,少しずつ外に出たり,家族と外出することもできるようになってきている。
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