‘私’と‘あなた’の対話・11
‘苦悩との敵対’と‘苦悩との和解’—病気を例に
上野 矗
1
1大阪教育大学・養護教育教室
pp.193-196
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922625
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自分が自分でどうしようもないやっかいさを担う私たち
私たちは自分のうちに,自分のことなのだが,どうしても自分のことと認めたくない部分をもっている.‘私がもっとスマートだったなら’‘私が結婚していたなら’‘私にもっと能力があったなら’あるいは‘私があんな失敗さえしなかったなら’等々.
そしてこうした部分は,からだに侵入する病原菌が炎症に伴う痛みや苦痛を起こすように,‘私’という世界になじめない異物となって,私たちを苦しめる.
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