特集 薬物依存症看護が「苦手」だと感じる看護職のみなさんへ
病院と地域の間にかけ橋を―両方の場での体験から,何が必要か見えてきた
寳田 穂
1
1大阪市大学看護短期大学部
pp.50-55
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900588
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高層住宅が建ち並ぶ一角にある3階建てビル2階のワンフロア,そこが薬物依存症からの回復支援団体『Freedom』のオフィスである。フロアーの真ん中に置かれたテーブル,窓側に置かれた小さなテーブル。それらのテーブルを囲んで,薬物乱用・依存に関連する涙や怒り,やるせなさ,そして希望が語り合われる。薬物の問題と向き合っている本人,家族,刑事司法・更生保護関係者,教育関係者,保健医療福祉関係者,ボランティアなど,さまざまな立場の人々がFreedomのオフィスを訪れる。
私も,ときどきFreedomを訪れる支援者ボランティアの1人である。私自身,Freedomの活動の一部に参加しながら,薬物依存症からの回復や回復を支援することについて,さまざまなことを学ばせてもらっている。本稿では,Freedomの活動の一端を紹介し,ボランティア活動をとおして感じる医療(看護)への期待について述べる。
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