連載 管理者日誌・8
病院と地域を結ぶかけ橋
井上 弘子
1
1社団法人北海道総合在宅ケア事業団
pp.663-664
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901537
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「継続医療部」のあゆみ
高齢化の波が押し寄せ,「老人保健法」の改正に伴う「訪問看護ステーション」が制度化された1992(平成4)年,北海道大学医学部附属病院にも,病院と地域を結ぶかけ橋の役割を担う部門として,「継続医療部」が設置されました。診療科の教授が部長を兼任し,実働は看護師長1名と看護師1名による小規模な組織で出発しましたが,その活動内容は,医療依存度の高い患者が在宅で生活するために必要な訪問診療,訪問看護,訪問リハビリおよび,社会資源の活用に関する相談指導等,関係する多くの医療従事者を巻き込んでの包括的なケアを行なうものでした。
入院中,もしくは外来に通院中の患者や家族の希望により,診療科の医師や看護師が提出した依頼事項にもとづき,受け持ちの訪問看護師を中心にカンファレンスを開き,時には記録物を通して関係部署との連携を密にしながら進められました。患者の居住地が遠方の場合には,地元の病院や保健師,または近隣の訪問看護ステーションと連携をとり,患者が医療を必要としながらも,希望すれば在宅で過ごすことができるような環境整備に奔走しました。
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