特集 薬物依存症看護が「苦手」だと感じる看護職のみなさんへ
自助グループ当事者が短大での授業の講師になったら―アディクションのことは当事者に聞くのが一番
加藤 伊千夫
1
,
米澤 美貴子
1
1聖隷クリストファー大学看護短期大学部
pp.56-58
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900589
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教師の授業だけでは伝えられないものがある
学生にわかりやすい,わかる授業をしたいという思いから,最初は精神科での看護師時代の体験や,ビデオ教材を使いながら授業を行なってきた。しかし学生のニーズや満足度には充分には応えられないでいた。100人以上の学生に大教室でのマイク授業という学習環境もあるが,学生のほとんどがこころの健康問題を抱えた人と出会ったことがないことに気づいた。当事者との出会いの体験がない学生は,イメージが浮かばないし,まして当事者の体験世界を理解することは難しい。
アルコール依存症や摂食障害は,年ごとに増えてきて身近な問題であるにもかかわらず,まだまだ正しい理解はされていない。そこで,回復・成長した当事者に直接,出会うことや,当事者の回復・成長までの体験のプロセスを聴かせてもらうことは,教師の授業だけでは伝えられない効果があるのではないかと考えた。
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