連載 私と読書
—親と子の性教育・を読んで—教室と家庭を結ぶかけ橋に
青山 広子
1
1国立大蔵病院付属看護助産学校
pp.384
発行日 1975年7月25日
Published Date 1975/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204895
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性に関する話しを,わかりやすくだれかから聞いたことがあるかと問われれば,ほとんどの者が「ノー」と答えるのではないでしょうか。学校でも家庭でも,話を聞いたおぼえはないのです。それこそなんとなく,秘密のにおいを楽しみながら,知っていったことがなんと多いことでしょうか。それも,誤りがかなりありました。その点,看護学校,助産婦学校で教育を受けたことは,とってもよかったと思います。しかし正しい知識をもっていることは,子供に教育する時,大事な条件の1つでしょうけれど,それでよい教育ができるものではありません。
たとえば「赤ちゃんは,どこから生まれるの」という質問に,正しい知識があるからといって,説明できるわけではないのです。その点,この本の特徴は,赤ちゃんから思春期前期まで細かく年齢別にわけ,学校へ入学してからは,家庭と学校の二面からとらえているため,子供の思考,心理,成長発達の段階が,とてもよくわかることです。子供の成長発達をぬきにして,教育はないとも言えると思います。著者は,アメリカの方ですが,文中にあげてある例が,私たちのまわりでもよくみられることなので,読んでいても,国の違う方が書かれたという思いはなくなり,この方法や考え方は,すぐにでも応用できそうな気がしてきます。
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