特集 薬物依存症看護が「苦手」だと感じる看護職のみなさんへ
薬物依存者の心のなか
富永 滋也
1
1アジア太平洋地域アディクション研究所[APARI]
pp.36-43
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900585
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アディクトはなぜ反抗するのか
「薬物依存者は反抗的で暴力的だ」という人がいる。
その通りだ。僕も,そうだった。過去という過去をすべで恨みぬいていた頃の僕は,反抗的なんていうものじゃなかった。警察を相手に大暴れ,無関係の人まで巻き込んでけがをさせてしまったくらいなのだから。刑事どころか弁護士にも愛想をつかされ,拘置所や刑務所のなかでも反抗的な態度をとり続けた。でも,底つき体験を経てプログラムに出会った僕は,まるで性格が変わったかのように落ち着いてしまった。どうしてだろう? 人間の気質って,短期間のうちにこうも変化するものだろうか?その点について,自分自身を振り返りつつ,少し考察してみた。
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