Japanese
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展望
薬物依存をめぐって—第2部
On Drug Dependence
加藤 信
1
,
広瀬 徹也
2
Shin Katoh
1
,
Tetsuya Hirose
2
1神経研究所・晴和病院
2帝京大学医学部精神医学教室
1Neuropsychiatric Research Institute Seiwa Hospital
2Dept. of Psychiatry, School of Medicine, Teikyo University
pp.926-940
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202813
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Ⅴ.アンフェタミン型依存
戦後爆発的に流行した覚醒剤の乱用(昭和29年の中毒者数20万人)113)は一時その影をひそめたが,昭和45年以降再び急激に増加しはじめ,現在なお増加の一途をたどっている(表1,図2)76)。昭和48年には,覚醒剤取締法の一部改正による法規制の強化や,取締の強化徹底が行なわれたため昭和49年には一時減少を示したが,昭和50年には昭和48年の水準に再び戻った。
第二次世界大戦中,わが国の軍需工場の労働者達は,精神力と作業能率を高めるためにmethamphetamineを使用していた。製薬会社はこの薬物の莫大な在庫をつくりあげ,ヒロポン(ギリシア語のphiloponos―仕事を好むこと―に由来する)等の商品名で売り出された。
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