連載 職場のエロス・10
空き缶
西川 勝
1,2
1老人保健施設ニューライフガラシア
2大阪大学大学院臨床哲学博士課程前期2年
pp.88-89
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900500
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丸い眼鏡の奥には小さな目。大きな団子鼻と分厚い唇に,ちょっと気取ったものの言い方。冬でもTシャツ姿で日焼けの褪せない筋肉マン。彼から悩みを相談されても,あまり深刻な気分になれない。つい,笑いそうになる。とにかく,彼は魅力あふれる患者さんだった。
愛嬌たっぷりの姿は心にしみこんでいるのに,名前が思い出せない。躁的なところが病気なのだろうが,暴言や暴力もない。彼が入院してくると,看護者みんなが少し嬉しそうだった。
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