ストップ！野球肘 未来のエースを守るために

　野球肘は，まさに日本のスポーツ界の抱える課題を象徴する疾患です．特に少年野球界では，勝利至上主義が根強く，指導者が選手の成長や健康を犠牲にして過度な練習や投球を強いる場面がいまだに見受けられます．このような状況は，スポーツを通じて健全な成長を促す本来の目的から大きく逸脱しており，指導者のあり方が今こそ問われるべきです．

　さらに，こうした状況が続けば，野球の競技人口はますます減少し，野球界全体のレベルダウンも避けられないでしょう．実際，若年層の障害増加により，野球を続けられない選手が増え，才能ある選手が早期にスポーツを離れるケースも多く報告されています．