特別企画 看護は「感情労働」だった
[研究]神経性食欲不振症患児に抱く看護者の陰性感情―他精神疾患患児と比較して
室井 千鶴子
1
,
井口 真理子
1
,
青木 薫
2,3
1神奈川県立こども医療センター精神療育第二看護精神療育第二看護係
2神奈川県立病院付属看護専鬥学校
3元・神奈川県立こども医療センター
pp.70-73
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900394
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はじめに
神奈川県立こども医療センター精神療育部にある通称北2病棟は,精神科40床のうち半数の20床からなる男女混合の準開放病棟である。幼児から学童まで年齢層は幅広く,疾患は大人の精神科病棟とは異なり,分裂病圏は半数にも満たず,摂食障害,反社会的行動,被虐待,強迫症状,不登校,家庭内暴力など様々である。
そのような患児に対して行なわれる看護者の日々の処置やかかわりは,治療に大きく影響する場合が少なくない。患児は自分の感情を看護者に容赦なくぶつけ,時には周りの患児を巻き込んで看護者に反抗するなど,看護者は容易に陰性感情を引き出されてしまう場合がある。
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