臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
IV.消化管疾患
6.心身医学的アプローチ
神経性食欲不振症
桂 戴作
1
1日大第1内科
pp.1944-1945
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208210
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概念と症状
神経性食欲不振症は思春期女子に多い疾患で,食欲不振,やせ,無月経を主症状とする.1968年にLasegueはapepsia hystericaと名づけ,1874年には,Guli, W. W. がAnorexia nervosaと名づけ,今日では,後者が一般に使われるようになった1).本疾患はこのほか,やせが著しいにもかかわらず病識がなく,活動性が高いなど特異な性状を呈している.
この病因については,食欲中枢の存在する間脳の機能異常,あるいは脳下垂体を中心とした全身の内分泌機能の異常など,身体機能失調を主張する立場と,心因の意義を強調し,精神的・心理的な要因を病因と考える立場とにわかれているが,現在では,心理面での要因がまずあって,身体面での変化は二次的なものであろうとする考えが支配的である2).
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