特集 食欲
食欲のない患児の食べさせ方
常葉 惠子
1
1聖路加国際病院小児科病棟
pp.20-22
発行日 1958年8月15日
Published Date 1958/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910660
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小児が健康であつて,正しい食生活が与えられていれば食欲は旺盛なのが普通です。このことは小児は絶えず成長し,発育しようとする自然の欲求なのです。病気中の小児といえども,疾病による体力の消耗と同時に,他方では成長し,発育しようとしているのです。病気中の小児の栄養を考える時は,消耗した体力の補給だけでなく,成長,発育のための栄養とも考え合せなければなりません。ただし,どんなに考慮された食事であつても,小児が食べなければ全く意味のないことです。年長児であればよく説明し,患者の協力を得ることもできますが,幼児は理屈では食べさせることはなかなか困難なことです。何か小児の気持をとらえ,食べさせなければなりません。
まず食べないのは本当に食欲がないのか,又は他に原因があるのか観察しなければなりません。
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