特集 患者さんが「利用者」になる
家族のなかに患者さんの居場所を
甲斐 恵子
1
1老人性痴呆疾患治療病棟
pp.12
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900227
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旧老人病棟60床から痴呆性疾患治療病棟40床へ移行したため,長期入院から「興奮,拒食,徘徊といった症状がある程度改善ざれると,家庭や施設に早期退院」の方向へ大きく転換することになった。
従来の病棟は,衣類の共同購入を看護者が行ない,洗濯は一括して業者に依頼し,衣類整理には看護者が当たるなど,病院ですべて行なっていた。そのため家族がかかわるのは敬老会などの行事が主であり,家族は患者さんの日常を知ることが少なく,患者との関係は稀薄になっていた。介護力の問題はあるにしても,外泊・外出にも積極的,拒否的であった。
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