連載 現場に技あり!⑤
保健婦の訪問と電話が支える毎日―保健婦さん,あのポットのガラスは割れていないでしょうか
萱間 真美
1
,
高橋 久美
2
1東京都精神医学総合研究所医療看護研究部門
2世田谷北沢保健福祉センター
pp.56-60
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900219
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今月のシーン
Lさんは35歳の女性。家族は,彼女からの連日の攻撃に耐えかねて実家から出ていってしまい,現在,Lさんは家族と離れ,単身生活を送っている。
発病は20歳前後と思われるが,30歳までは職を転々としながらも治療を受けずに生活していた。しかし,30歳になった直後から,密着と反発という相反した感情を抱える関係にある父をはじめ,家族に対して攻撃的・被害的になり,ついには「殺される」と家裁に申し立てた。この頃,父が保健所に相談に来所したが,結局,受診には結びついていない。1年あまりして,Lさんは総合病院の精神科に入院した。
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