読者からの手紙
保健婦さんに望む
奥東 保
1
1静岡県衛生部医薬課
pp.9-10
発行日 1965年6月10日
Published Date 1965/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203403
- 有料閲覧
- 文献概要
保健婦という職業がどのような性格で,どのような活動をしておられるのか,ぜんぜん理解できぬ間に3年がすぎた.そして昨年春,ようやく病癒えてふたたび職場に帰ったとき,国保保健婦さんと保健所保健婦さんの統計的な仕事のかけ橋を依頼されて以来,はじめて保健婦さんの立場がどんなにむずかしいか,その仕事がどんなにつらいものであるかを,少しずつわかりはじめたのである.その後1年,保健婦さんとの往来が深まり,統計的な仕事のかけ橋もどうにか軌道にのせることができたところで,ひとつ保健婦さんに対する私の印象を少し述べさせていただき,"保健婦さん"というなにか"もやもや"とした幻想を整理させていただきたいのである.
保健婦さんというのは,看護婦の資格を取得した上で,さらに保健婦としての特別の教育を受けて実社会に出てこられた方々である(昔のことは知らない).従って,その教養といい,看護または保健婦事業に対する熱意といい,なみなみならぬものがあるという印象を最初もち出したのである。たとえば,本誌,1964年12月号で拝見した栗田美代子さんの「住民の自主性の開発を志して」という小論にみられるような"あの燃焼しつくしてもつきないファイト"を私は頭の中に描いたのであった.そして,主として保健所保健婦さん方の業務日誌の作成方法などについて情熱的に支援し,企画立案,実施などについて応援したのである。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.