連載 精神看護ステップアップ講座:グループワーク11
グループとしての病棟
武井 麻子
1
1日本赤十字看護大学
pp.52-55
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900218
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いまから十数年も前の話になるが,英国ケンブリッジの郊外,フルボーン村というところにある精神病院が筆者の研修病院だった。そこのリハビリテーション・ユニットにあるホステル病棟に,私はいた。
リハビリテーション・ユニットというと,日本では,病状が落ち着いて退院間近な患者のいる「社会復帰病棟」を思い浮かべる人が多いに違いない。ましてや,夜間は他病棟の夜勤専門ナースの巡回があるだけで,患者だけになるホステル病棟だと聞けば,相当自立度の高い患者を想像するだろう。ところが,たった16名とはいえ,そこにいたのは,日本なら慢性閉鎖病棟に閉じ込められているに違いないと思える患者たちばかりだった。
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