特集 記録で見える看護の中身
看護を情報化することで何ができるのか
天賀谷 隆
1
1関東中央病院
pp.18-21
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900096
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自分の考えを伝えることが重要な時代
金融システムの破綻,医療財政の悪化,高齢化社会,人権意識の高揚,規制緩和などにより,医療環境が変化している。また,新聞で報道されるニュースは日本の将来を暗くするものばかりで,先の見通しの立たない不安さえ覚える。かつてどの国も経験したことのないスピードで高齢化・少子化社会へと進んでいることが問題であり,医療保険や公的な保険制度にも大きな影響をもたらすようになる。
しかし,見方を変えれば,この行き詰まった状況は,経済の高度成長をひたすら目指して働いてきた私たちのやり方が通用しなくなったにすぎないのである。高齢社会の到来やバブルの崩壊は,これまでの価値観では通用しない社会になりつつあることを示している。これほど変化を余儀なくされる面白い時代はないのかもしれない。
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