連載 宮子あずさのサイキア=トリップ・4
恋の流行病(はやりやまい)
宮子 あずさ
pp.90-91
発行日 1998年7月15日
Published Date 1998/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900092
- 有料閲覧
- 文献概要
同時期に同じ病気の患者さんがどっと入院してくることがよくあります。これは、内科でも精神科でも同様のようです。一日違いで三人も白血病の患者さんが入院してきたり、うつ状態の動けないお年寄りがわんさかとか、躁状態の患者が集まって、いつも誰かが金切り声あげて怒ってる、などなど……。あまり考えたくない状況が、しばしば起こっています。
そして、最近の流行病といえば、ずばり恋の病でした。恋愛問題のトラブルから心を病んだ女性が立て続けに入院し、私たちをびっくりさせたのです。その症状といえば、ストーカーに走る人あり、過換気を繰り返す人あり。べースにある疾患も、うつ病が疑われる人や見るからにボーダーラインの人など様々でしたが、いずれも元の恋人との復縁を強く望み、医療者に協力を依頼するところに特徴がありました。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.