連載 ケアフルな一冊2『関係障害論』
「患者の身になる」とはどういうことなのか
林 和功
1
1茨城県立友部病院
pp.69
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900037
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
精神科病棟には必ずといっていいほど,看護者から問題視されている患者か数名いる。病棟生活上のルールを守らない,日中は寝ていて日課に参加せず真夜中になると起きだしてくる,些細な訴えや要求が多いなど,日ごろ看護者が困らせられている患者である。他に,拒絶的で服薬や食事・入浴をしないなどの問題を抱えている患者もいるが,いずれも看護活動がスムーズに進行することの妨げとなっている場合に問題視されやすい。
ここで紹介する三好春樹氏の『関係障害論』は「新しい老人ケアの提案」の書であるが,上記のような看護する側の一方的な視点での問題のとらえ方が,いかに患者の障害を深めていくのかについて考えさせられる。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.