連載 看護のこころ・看護のわざ:精神看護の先達に聞く①浦野シマさん[前編]
第二次世界大戦下,患者と看護婦が取り組んだ「生活新体制」
青戸 由理子
1
1川越同仁会病院
pp.60-65
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900012
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「生活療法」以前にもあった独自の看護実践
今でこそ,精神科看護のなかで生活援助という概念は当たり前のことのようになっているが,わが国の精神科看護史上,生活援助の概念が登場するのは,戦後の復興期にあたる昭和26年に国立武蔵療養所所長の関根真一が発表した「精神病者の生活指導」(『看護学雑誌』6月号)からである。
以後,それは「生活療法」へと発展し,昭和40年代に反精神医学・精神病院批判の高まりのなかで衰退するまでは,精神科看護の方法として,歴史にはっきりと刻まれている。
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