PHOTO/PICK UP 「まちづくり」の現場/私のまちづくり・14
昆布も売ります,病気も売ります―これが浦河べてるの家流まちおこしだ!!/べてるの繁栄は,地域の繁栄―安心して“病気”でいられるまちづくりをめざして―
向谷地 生良
1
1北海道医療大学
pp.95-97,134-138
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100108
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べてるの家は,精神障害などさまざまな障害をもつ人々の地域活動拠点である。社会福祉法人のほか,有限会社も経営し,日高昆布の販売や出版事業・介護用品のレンタル事業で急成長をとげ,地域の振興に多大な影響を与えている。“べてるにくれば病気がでる”“弱さを絆に”などを合言葉に,今日も仲間が集っている。
安心して“病気”でいられるまち
統合失調症をかかえるべてるの女性メンバーから相談の電話がかかってきた。彼女は,何か大切なものを失ったかのように沈んだ声で話しかけてきた。
「実は,急に“サトラレ”が消えてしまったんです。幻聴さんも聴こえないし,自分の考えが周囲に漏れ伝わってしまう“サトラレ”も消えてしまったら,べてるにいられなくなるんじゃないかと思って…」
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