特集 身体科受診・入院にまつわる看護と円滑な治療継続
2 骨折
牛田 正宏
1
1東京都立松沢病院整形外科
pp.499-506
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201201
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精神科で多い「骨折」にはどのようなものがあるか
骨折にはさまざまな分類がありますが、精神疾患患者に特有の問題点を考慮して「高エネルギー外傷による骨折」と「低エネルギー外傷による骨折」に分けてみます。
高エネルギー外傷の典型例は、希死念慮や幻覚妄想に支配されて高所より飛び降りて受傷するようなケースです。一般的には交通事故による受傷なども該当します。低エネルギー外傷は、立った状態からつまずいたり尻もちをついたりして受傷するようなケースで、通常では骨折しないような外傷で骨折をきたすため「脆弱性骨折」と呼ぶこともあります。このような骨折の背景には「転倒しやすさ」と「骨脆弱性(骨粗鬆症)」が主な要因として存在しています。
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