Japanese
English
展望
日本におけるオープンダイアローグの現在
Current State of Open Dialogue in Japan
斎藤 環
1
Tamaki Saito
1
1筑波大学医学医療系社会精神保健学
1Social Psychiatry and Mental Health, Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
キーワード:
Open dialogue
,
Schizophrenia
,
Tolerance for uncertainty
,
Reflecting
,
Polyphony
Keyword:
Open dialogue
,
Schizophrenia
,
Tolerance for uncertainty
,
Reflecting
,
Polyphony
pp.835-851
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205869
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抄録 統合失調症急性期に対するケアの手法として「オープンダイアローグ(以下OD)」が注目されている。薬物治療や入院治療に依存しない治療方法として,あるいは治療に限定されない「対話の思想」として学際的な関心を集めている。ODの根底には,個人の尊厳,権利,自由の尊重こそが治療的意義を持つという透徹した倫理性がある。その意味においてODの受容は「人間」と「主体」の復権でもある。現在はODNJP(Open Dialogue Network Japan)が中心となって啓発活動を進めているが,臨床現場での応用は今後の課題であろう。本稿では,ODの内容についての概略とエビデンスを紹介し,臨床場面における進め方の手順を「七つの原則」に準拠しつつ述べた後に,統合失調症にOD的なミーティングを実施した自験例を提示する。
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