特集 精神科治療、この10年で覆った常識とは
“不要な神話”を手放した人たち
—「児童虐待防止法」のパラドックス—「通告」の推進は、本当に子どもたちを守るのか
滝川 一廣
1,2,3
1あなはクリニック
2オリブ山病院児童思春期外来
3児童心理治療施設ノアズガーデン診療所
pp.39-42
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201085
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1990年代、日本では「子どもの権利条約」署名を契機に虐待防止運動が盛り上がり、米国の「先進的」な制度を輸入して「児童虐待防止法」(2000年)の制定に至った。「虐待」を疑えば児童相談所に通報(通告)することを国民に義務づけ、それを受理した児相はただちに調査を行い、「虐待」と判断したら子どもをその家族から引き離して保護する制度である。
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