特集 性暴力被害者の支援—看護婦だからできること
看護に生かすDV・児童虐待防止法
角田 由紀子
1
1田中合同法律事務所
pp.1013-1015
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903847
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DV防止法
DV防止法の正式名称は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」である(以下では,一般にこの法律が「DV防止法」と呼び習されているので,この略称を使う).参議院の超党派の女性議員たちが中心になって,今年の4月はじめに成立にこぎつけた.施行は2001年10月13日である.
この法律は,日本の法律ではじめて,配偶者からの暴力を「犯罪となる行為」と宣言した(前文).他人からの暴力であれば,誰もそれが許される行為とは考えないのに,加害者が夫の場合は,初めから犯罪の範疇から除くことが永いこと行なわれてきている.夫からの暴力も犯罪であると女性たちが言い続けてきたことが,法律の言葉に取り入れられて,市民権を得たというわけである.夫からの暴力を犯罪行為と見るか見ないかは,この暴力行為の被害者にどう社会が対応するかということに決定的な影響を与える.その意味で,法律ではっきりと宣言されたことの意義は大きい.
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