連載 「身体拘束」を問う・1【新連載】
返らない命とそこからの問いかけ
長谷川 利夫
1
1杏林大学保健学部作業療法学科
pp.442-447
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201044
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私のスマートフォンの中に1枚の写真が残っている。2人のライトブルーの瞳は悲しそうにこちらを見ている。
2017年5月に、ニュージーランド国籍のケリー・サベジさんが神奈川県内の精神科病院で身体拘束を10日され続けた後に心肺停止になり、その後亡くなった。その写真は、遺族となった日本在住の兄パット・サベジさんとニュージーランド在住で地震学者の母マーサ・サベジさんが、2人で大学の私の部屋を訪ねてこられた時のものだ。この日から私は本件を世に問うべく奔走することになる。
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