ある地方医の手紙・12
「ブッ返る!」(1)
穴澤 咊光
1
1穴澤病院
pp.802-803
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204797
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W先生
「所変われば品変わる」という言葉,医学の世界にあてはめるならば,「所変われば疾病変わる」といえるでしょう.東北のこの地方都市に住みついて,私にとって最初の大きな驚きの一つは,当地の疾病像が私の留学していた米国はもちろんのこと,東京の大学病院の病棟でみられる疾病像とあまりにもかけはなれていることです.例えば肺癌に較べて胃癌がやたらに多く,腎盂腎炎が糸毯体腎炎やネフローゼとは比較にならぬほど多く(とくに梅雨のころ),糖尿病や痛風は東京ほど多くもないし程度の軽いものが多く,膠原病は5年間にSLEたった1例だけ,米国であれほど多かったサルコイドーシスや真菌症にはついぞお目にかかったことがありません,白血病も稀なのです.
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