連載 りれー随筆・202
「我に返れ」のメッセージ
西森 久江
1
1市立川西病院
pp.738-739
発行日 2001年8月25日
Published Date 2001/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902712
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その年は本当に忙しかった。卒業後すぐに助産婦になって以来,ひたすら母性看護畑だけを歩んできた私だが,その年初めて,一般病棟に勤務交替した。看護管理を行なう上で,一般病棟の経験も必要との上司の配慮であった。外科病棟に配属となり,新人指導をしながら,私自身も一から勉強し直しの毎日であった。
半年後,さらに内科病棟に配置転換した。産婦人科病棟とは全く違う対象への看護の中で,忘れかけていた看護の基本をもう一度確認させられる毎日だった。与えられた少ない機会に,全力投球で学び,仕事をした。家に帰れば,幼稚園から中学生まで4人の子供の世話もした。「いろいろ,大変でしょう」とよく言われたが,無我夢中で,あまり「大変」とは感じなかった。
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