特別記事
—追悼 外口玉子先生—戦後日本に精神看護を切り拓いた先人に聞く
小宮 敬子
1
1日本赤十字看護大学さいたま看護学部
pp.330-337
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201025
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外口玉子先生が3月12日に逝去された。享年84。ここ数年は病いをかかえ、短期に入院されることはあったが、基本的にはご自宅で介護サービスを活用しながら療養生活を送られていた。地域でのケアを大切にされてきた外口先生らしい過ごし方だったと言えよう。先生が旅立たれたことの喪失感はじわじわと私の中に広がりつつあるが、一方で先生の足跡を伝えておきたいという思いがある。
私は生前、病いの床におられた先生に電話でのインタビューを行う機会に恵まれた。ある雑誌に依頼されたことがきっかけだった。諸般の都合でそこに掲載することはできなかったが、インタビューのデータは私の手許にある。実際にお目にかかってインタビューしたかったのであるが、療養中とあってそれは叶わず、電話で短時間なら、ということでお引き受けいただいた。それは2021年9月から始まり、週1回のペースで、長い時で40分、短い時には10分ほど、十数回にわたって年末まで行われた。
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