とびら
先人の教えに想う
高橋 明美
1
1新潟リハビリテーション大学医療学部
pp.973
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200368
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私は,理学療法士になって27年目を迎えた.臨床と教育をほぼ同じ年数経験し,昨年度より現在の大学で,自身2度目の教育の現場に足を踏み入れたところである.入職してからも,日々「教育の難しさ」を痛感してきた.これは臨床の場で学生指導をしているときにも気づいていたことではあるが,私の意図するところがどうも理解されていないようだと感じることがあった.教育の現場に移って学生に講義をしていても,やはり同様の感覚を覚えることが多かった.つい最近も,学生に講義をしているなかで“いざり”という言葉を使ったところ,学生から「いざりって何ですか」と問われたことがあった.現在では,一般には差別用語とみなされているということも一因かもしれないが,今の学生たちが,私たちが日常使ってきた言葉を使わなくなっていることに,ある意味衝撃を受けた.
さて1990年以降,理学療法士を養成する学校は,短期大学は減少したが,3年制および4年制専門学校,4年制大学は急増した.理学療法士協会が公表している学校数は,2014年度で253校,学生総定員数は1万3,000人を超える.理学療法士の会員数は9万5,000名を超え,休会者等を含めると10万人を超える職能団体となった.
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