助産婦必読書
患者への新しい接近法—C. K. Hofling M. M. Leininger 外口玉子ほか訳
羽生 りつ
1
1国立武蔵療養所
pp.64
発行日 1968年8月1日
Published Date 1968/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203612
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精神科看護は患者との接触なしには成り立たないといっても過言ではない.なぜならば患者が何を感じ,何を求めているのか,また1つ1つの行動にしても何を目的として行なっているかを常に考えなければならない.看護者からの患者への働きかけと,かつ正しい観察をしていくことによって,各々の患者のもつ内面的あるいは精神医学的な面の問題点をとらえ,それに対して適格な判断を行ない,看護者と患者との治療的ふんい気をつくりあげることなどはすべて患者との接触の上に成り立っており,精神科看護の重要なポイントであると共に看護は接触そのものであるといえよう.
日1日と看護の高度化がうたわれ,氷準の高い知識のうえに立って,看護者としての洞察力や判断力を求められている現在,患者対看護者との対人関係(人間関係)を主体とする接触場面あるいは環境づくりには治療的意味が深く,心理学・社会学などの他の領域の知識も看護分野において有効に活用されなければならないと共に,幅広く看護者に求められているものでもありますし,この時期にあたり"患者への新しい接近法"を読む機会を与えられた.
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