書評
『家でのこと—訪問看護で出会う13の珠玉の物語』
村上 靖彦
1
1大阪大学人間科学研究科
pp.288-289
発行日 2021年5月15日
Published Date 2021/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200894
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マンガだからこそ表現できるものがある
おそらくこの本の読者は、作者の優しい目線にほっとすると思う。患者さんも家族も看護師さんも、優しい人たちが全ページカラーで描かれている。
引きこもりの息子がいる父子家庭で、自分の好きなプラモデルだけ買って介護を放棄しているように見える中年の息子が、実は父のことを細かく気づかっていて、味噌汁をマグカップで出す場面。看護師がケアしていると思っていたら実は患者さんのほうが看護師を気づかっていて、心臓病をおしてドラッグストアに並び看護師のためにマスクを買ってきてくれる場面。
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