連載 木田っちの、こんな所に行ってみたっち。・5
雑誌販売でホームレス状態の人の自立を応援する『ビッグイシュー』
木田 塔子
1
1東京大学医学部健康総合科学科
pp.178-184
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200867
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路上で雑誌を売る赤いベストのおじさん
路上で、目立つ赤いベストを着て雑誌を掲げている人を見たことはあるだろうか。東京や大阪では比較的見る人が多いだろう。
私は中学生の頃から、学校の近くの大通りの交差点で、凍えるような寒い日も、通学の時間帯からじっと立って雑誌を掲げているおじさんが気になって仕方がなかった。ネットで調べてホームレス状態の方が売っていることを知ってから、ついに好奇心が人見知りに勝ったある日、大学の近くの大通りの交差点に立つおじさんに声をかけた。「これ、ください」。パッと惹きつけられた表紙を指差して初めて買ったのは、夜間中学の特集をしている号だった。てっきりホームレス問題に関する雑誌だと思っていたのだが、特集テーマにまつわる充実した記事と、芸能なども含む幅広いニュースや世界の社会問題を取り上げたコラムなど、想像をはるかに超える充実した内容に驚いたことを覚えている。
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