連載 トラウマインフォームドな精神保健医療福祉のパラダイムシフト・3
ただ「居る」ことを保障しよう—トラウマインフォームドケアとしてのハームリダクション
熊倉 陽介
1,2
1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
2ことぶき共同診療所
pp.80-85
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200840
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疎外:トラウマを語らなければ居られない
また締切を盛大に過ぎてしまいました。このトラウマインフォームドケアについての連載を書こうとし始めるや否や、不幸な未来予想的に「締切トラウマ」がフラッシュフォワードしたことを第1回目に書きました。第2回目で案の定、締切を大きく過ぎて「締切トラウマ」は現実の出来事となりました。いま第3回目で予定調和的に「締切トラウマ」が再体験されています。
「またか。」3回連続で読んでくださった方がもしいたとすれば、また「締切トラウマ」の話をし始めるくどさに辟易しているかもしれませんが、くどいくらいに何度も繰り返される話を落ち着いてゆっくり聴いているうちに、少しずつ意味がわかってくるのがトラウマなのです。
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